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市民セクター政策機構

市民セクター政策機構 市民セクター政策機構は、生活クラブグループのシンクタンクとして、市民を主体とする社会システムづくりに寄与します。

ふろしキッチン こども食堂(練馬たすけあいワーカーズふろしき)

季刊『社会運動』 2016年1月号【421号】特集:子ども食堂を作ろう!

メンバーにとっても幸せな時間


 メニューは昔ながらの「ちゃんとしたごはん」にこだわりたいという思いで決めている。10月のメニューは、栗ごはん、味噌汁、鶏のから揚げ、じゃがいもとさつま揚げの煮物、煮豆、大学芋、漬物。どれも丁寧に手作りしたおいしいごはん。参加費は300円だ。「たくさん食べてね」と、ふろしきの〝お母さん〟たちの愛情が溢れんばかり。食の大切さを伝えたい、心も体も健康に育ってほしいという思いを込めている。テーブルの真ん中の小さな花、メンバーが持ち寄ったランチョンマットなど、居心地のよい時間を過ごしてほしいとの心遣いも。アレルギー対応もあるので、事前の予約を基本にしている。
 若いママが鶏のから揚げを食べながら、「どうしたらこんなにカラっとなるのかな」と聞くと「二度揚げをしているの。下揚げをしておいて、食べる直前にもう一度揚げるとうまくいくわよ」と、お母さんが娘に教えるよう。仕事帰りに二人の子どもを連れて立ち寄ったママの隣に座ったメンバーは、まるでおばあちゃんが孫の食事の世話をするようだ。「久しぶりにゆっくり食事ができて、幸せ!」と参加者が言うと、「私たちも幸せな時間ですよ」。メンバーもやりがいを感じている。


「大人食堂」も作りたい


 参加する人の状況が少しずつわかってくると、メンバーからはたくさんの課題や意見が出される。生きづらさを抱えている子どもや親、障がいのある子どもへの対応には戸惑うことも少なくない。庄子さんは「おいしい食事を出せばいいくらいに思っていましたが、研修も必要ではないかと話し合っています」と言う。本当に支援したい子どもたちへ情報が届くように、学童保育との連携などにも取り組んでいく予定だ。
 藤縄さんは、「今、子ども食堂を立ち上げると、寄付やボランティアがどっと集まる傾向にあります。海外から送られてきたりもします。様々なやり方があると思いますが、ふろしきは今までも地域でた
すけあいの事業をしながら、そこから見えた問題を解決するために運動を展開し、行政につないできました。子ども食堂も同じようなスタンスで取り組んでいきます」と話す。地域福祉関係の行政職員を見学に招くなどして働きかけも始めている。一つの子ども食堂ではできないことも、練馬にある他の子ども食堂とネットワークすれば解決していけるのではないかという期待もある。
 メンバーたちは、子どもの食堂だけでなく、地域で暮らすお年寄りが憩う「ふろしキッチン大人食堂」も作りたいと考えている。長年、ふろしきのメンバーとして活動してきた仲間が自分たちで地域の居場所を作ることを楽しみにしているからだ。「ふろしキッチン みんなの食堂」に育てていくのが夢だという。

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