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予防接種に行く前に(医学博士、元・国立公衆衛生院 疫学部感染症室長 母里 啓子)

季刊『社会運動』 2017年7月号【427号】特集:ワクチンで子どもは守れるか?

ワクチンとは何か

ワクチンは薬ではない

 人がかかる病気の中には「一度かかれば二度とかからない」という現象があり、一度感染したウイルスや細菌等に対しては抵抗力がつくことが知られていました。ワクチンは、イギリスの医学者であるエドワード・ジェンナーが人体を使って実験的に種痘を行い、天然痘にかからないことを発見したことが始まりです。

 人の体は病原体が入ってくると、対抗する細胞が取り囲んで、その病原体に対する免疫抗体を作ります。抗体があれば、次に同じ病原体が入ってきても、闘って病気にならないようにできます。ワクチンは、そのメカニズムを利用して、病気にかかる前に病原体を弱めたり殺したものを意図的に体の中に入れ、免疫抗体を作ろうというものです。ですから、ワクチンそのものは薬ではありませんし、ワクチンそれ自体が病気を防いでくれるわけでもありません。

 多くの人が薬、健康食品、サプリメントなどを摂取して、少しでも健康になろうとする健康志向が強い時代です。しかし、ワクチンはウイルスや細菌などを元に作られている、言わば「病気の種」ですから、ワクチンで健康にはなりませんし、そもそも体に良いものではありません。

 

不自然な形で病気の種を体に入れる

 

 自然に病気にかかる場合、病原体は口や喉、鼻、皮膚の粘膜など、様々なバリヤーを通って体の中に侵入していきます。花粉が鼻に入ってくると、くしゃみをして出そうとしますし、腐ったものを食べた時は吐き出すこともできます。人の体は、異物が入ってくると排除しようとする働きをします。

 しかし、ワクチン接種では病原体を注射器で強引に体の中に入れてしまいます。とても不自然な形で病気の種が体内に入ってきますが、体は拒否することができません。体にわざと異物を入れ、病気と闘うということは本来リスクの大きいことです。

(P.36~p.37 記事から抜粋)

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