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エコバックで地球は救えない! (季刊『社会運動』編集長 白井和宏)

<まもなく発売>季刊『社会運動』2021年10月発行【444号】特集:再生可能エネルギー――気候危機と生活クラブ

 はじめにお詫びしたい。本誌439号(2020年7月発行)の特集タイトルを「いまなら間に合う!気候危機」としたが、楽観的に過ぎた。ついに今年8月には、北極に位置するグリーンランドの最高地点(3216メートル)で観測史上、初めて雨が降ったという。もはや地球過熱化は「臨界点」に達したのかもしれない。

 「臨界点」に達すると、気温の上昇は止まらなくなる。すでに世界の気温は、1850年~1900年の平均温度と比べて1℃上昇している。それでもつい最近まで、「臨界点を超えるのは5℃以上の温暖化が起きたとき」と考えられていた。
ところが2018年に、「国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、「1~2℃の気温上昇でも臨界点に達するかもしれない」という警告を発した。そしてこの8月には、さらに状況が悪化したため、「2021~40年の間に1.5℃上昇する」という予測を公表した。2021年とは今年のことだ!
 世界の気象災害の件数は過去50年で5倍に増えた。世界全体が温室状態になり、人間が地球に住めなくなる日が迫っている。
 ところが日本政府が発表した「第6次エネルギー基本計画素案」は、再生可能エネルギーを拡大することより、石炭火力・天然ガス・原子力に固執する。これでは、世界的な合意である「2030年CO2排出50パーセント削減、2050年排出ゼロ」の達成は不可能だ。

 もうエコバッグにまどわされるのは終わりにしよう。エコバッグやマイ箸で、地球過熱化は止まらない(有料化でレジ袋は7割減ったが、ゴミ袋の売り上げは2倍に増えた)。
 個々人がこのような行動(環境への配慮やライフスタイルの変化)で自分の役割を果たしたと思って満足してしまうと、結果的に現状の社会経済システムの許容につながる……。
 個人に必要な行動としてより本質的なのは、「自身の生活で発生するCO2をこまめに減らすことよりも、システムの変化を後押しするための意見表明、投票行動、消費行動における選択、地域社会での取り組みへの参加」(国立環境研究所・江守正多氏)なのだ。
https://news.yahoo.co.jp/byline/emoriseita/20200817-00193635

(p.4-P.5 記事全文)

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