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市民セクター政策機構

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田んぼソーラーは、一つの実験

 

4町歩(4ヘクタール)の秋葉さんの田んぼでは、秋になると山形のブランド米「はえぬき」「つや姫」の稲穂が色づく。田んぼの上に乗っているのは300枚のソーラーパネルだ。
「思ったほどの圧迫感はないですよ。ゆったり畑仕事ができるよう支柱の高さは3メートルありますし、パネルも構造に負担のない、小さくて幅の細いものを使っています。太陽の動きに合わせてパネルの陰が移動するので、稲の成育のばらつきは少ないのです」
ソーラーシェアリングの要件として、営農に支障が出ないようにする、地域平均収量の8割を確保する、農業委員会の許可を得ることが求められる。遮光しながら植物を育てるため、適しているのは「半陰生植物」や「陰生植物」。ソーラーシェアリングを発明した長島彬さんの研究によると、それぞれ植物によって必要なエネルギーがあり、とうもろこしやさとうきびのように光量があるほどいいもの、逆にわらびやきのこなどのように少ないほうがいいもの、一定の光量以上は必要としない植物もあるそうだ。太陽の光を田畑の中まで届くよう支柱を高くするなどの工夫で栽培が可能なものも多いという。
秋葉さんは2012年、雑誌『現代農業』でソーラーシェアリングの生みの親である長島彬さんの記事を読み、千葉にある房総の実験農場へも何度か見学に訪れた。
「仕組みは簡単なんです。これなら自分にもできる!

(p.51 記事全文)

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