生活クラブグループ
市民セクター政策機構

市民セクター政策機構 市民セクター政策機構は、生活クラブグループのシンクタンクとして、市民を主体とする社会システムづくりに寄与します。

 にかほ市は、秋田県と山形県の県境に位置し、日本海と鳥海山に囲まれた自然豊かなところ。日本海からの強い海風による風況の良さから、「生活クラブ風車・夢風」(46ページ地図④参照)を含め、大小合わせて76基(2021年8月現在)の風力発電施設が建てられている。にかほ市の取り組みを本田雅之副市長に聞いた。

 

 秋田県庁職員から、にかほ市副市長に抜擢

 

 副市長の本田雅之さんは、にかほ市からやや内陸に入った湯沢市出身。秋田県庁の職員として30年勤めた後、2018年4月から現職に就いている。
「県庁職員としては、2009年から約3年間にわたり、温暖化対策課にいました。そこで、『秋田県地球温暖化対策推進条例』および『秋田県地球温暖化対策推進計画』の策定や、環境省の『地域グリーンニューディール基金』を活用し、公共・民間の施設に、省エネルギー機器や太陽光パネルなどの再生可能エネルギー機器の導入を促進する事業などに携わっていました。同課での最後の1年は、2011年3月に東日本大震災が起きたことから、県民生活・被災地支援本部の下に置かれた『電力需要調整特別チーム』として、電力供給のひっ迫を防ぐための節電啓発を担当していました。いまとなっては貴重な経験だったと思います」

 

都市住民とエネルギー産地が支え合う稀有な関係性

 

 こうした経験から、にかほ市の再生可能エネルギー関連の仕事には比較的スムーズに入っていくことができたという本田さん。副市長に着任してまもなく、「にかほ市と生活クラブとの連携推進協議会」の共同代表にもなっている。
 「前任者のころから続いていた生活クラブ生協との交流を、引き継いだ形です。驚いたのは、エネルギーを通じた双方向での交流が毎年続き、かつ広がっていること。にかほ市の特産品を使った物品の共同開発や提携も生まれ、一定の経済効果を生んでいます。ここまで実のある交流というのは、他ではあまり見られない。生活クラブ生協ならではですね」

(p.68-P.70 記事抜粋)

 

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