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悪夢の原発回帰 日本は再び亡国の道を突き進むのか?
(季刊『社会運動』編集長 白井和宏)

【好評発売中】季刊『社会運動』2023年4月発行【450号】特集:原発ゾンビ ―再稼働なんてありえない

なかったことにされた福島第一原発事故

 

 福島第一原発は、「燃料デブリ」を取り出せず、廃炉の見込みも立っていない。生活を奪われ、人生を翻弄された数万人の被災者は放置されたままだ。
 それなのに原発回帰が着々と進行している。停止中の原発を稼働させ、運転期間は60年を超えて延長、さらに新規の原発を建設するというのだ。

 

巨悪の犯罪が問われない日本

 

 地震大国の日本で原発を推進したのは、「安全神話」を掲げた国と電力会社だ。大事故を起こした以上、責任を問われるのは当然のことだ。ところが検察は、東電関係者を不起訴にした。原発被災者による訴訟でも、裁判所は国や東電の刑事責任を認めていない(注)。こうして罪を問われぬ巨悪の責任者たちが、無責任な原発回帰を再び進めている。

 

閣議決定という独裁政治

 

 政権与党の暴走は凄まじい。ここ数年だけでも、コロナ対策、東京五輪汚職、任意のはずのマイナンバーカードの強制的取得、国葬、旧統一教会対応など、いったい誰がどのようなプロセスを経て方針を決定したのか曖昧なまま、処理されてきた。閣議決定という政府内の決定が最高位に立ち、専門家による委員会はもとより、国会すらも軽視され、メディアも政権に媚びを売る。まるで独裁政治のごとくに。

 

日本を滅ぼす無責任の政治

 

 誰も責任をとらない日本の構造は、いまに始まったわけではない。アジア・太平洋各国に2000万人以上の死者をもたらした太平洋戦争の責任も「一億総懺悔」としてうやむやにされた。その一方、A級戦犯の被疑者だった岸 信介一族が背後に隠れて、統一教会・勝共連合と連携し、政治を動かしてきた。
 政権与党は敵基地攻撃のため、ミサイルを爆買いする計画だが、原発が攻撃されたら大惨事になることは確実だ。原発回帰は、亡国の道に他ならない。
(注)民事訴訟では、東電元会長らに13兆円余の賠償命令が出ている。

(P.4-P.5記事全文)

 

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