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輸入牛肉に追い詰められる「国産牛」(市民セクター政策機構 専務理事 白井和宏)

季刊『社会運動』 2016年7月【423号】 特集:食料消滅!?

このままでは衰退する日本の酪農・畜産


「赤味の肉牛を生産者と消費者が納得して扱ってきたように、長年にわたって生活ク ラブとの提携関係を築いてきた私たちですが、今、直面している最大の問題は、何といってもオス牛の頭数を確保することです。すでに酪農家は急激に減少しており、乳牛全体の頭数が著しく減少しています。
 都府県の酪農家で産まれる子牛はすでに 50 %以上が『交雑種』になっています。彼らの中には、『搾乳用のメス子牛は、北海道の酪農家から購入すればいい』と考えている人も多いようです。
しかし、これまで『酪農王国』と呼ばれ、牛乳や乳製品の生産が盛んな北海道の酪農家でさえ、食肉用の『交雑種』の生産が20%を超えてしまいました。結果として、生まれる乳牛の頭数も少なくなり、オスの子牛価格が上がっています。
 このままでは『国産牛』の価格が上昇する一方で、関税引き下げによって値下がりする輸入牛肉との価格差がさらに広がります。日本の酪農・畜産は衰退の一途をたどるのではないかと非常に危惧しています」

(P.91~P.92 記事から抜粋)

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