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おしどりマコの知りたがりの日々・レッツ想定外!第3回「私が東電記者会見に乗り込む理由」(芸人・記者 おしどりマコ)

季刊『社会運動』 2016年7月【423号】 特集:食料消滅!?

 原発事故があった2011年3月、TV業界の端っこにいたおしどりは、業界の方々が原発事故の汚染を恐れてどんどん東京から脱出しているのを知りました。ニュースでは「ただちに影響はありません」と繰り返しながら、でもTVタレントたちはどんどん脱出してるよね? 原発事故の前から、3月にはよしもとの劇場(東京)の「春休み子どもキャンペーン」の仕事が入っていたおしどり。ええと、いろんな人たちが、お子さんや奥さんを避難させているその時に、東京の劇場におしどりファンの子どもたちを毎日集めるの?考えた末、劇場でお子さんたちにプレゼントを配るときに、「私の書いた記事を読んでください」ということを始めたのです。誰かに何かを伝えるためには、きちんと一次情報にあたらないとね! TVや新聞の情報の元ってどこだろう、東京電力の記者会見? そこでインターネットで中継している東京電力の記者会見を見始めました。でも原子力のことって初めはちんぷんかんぷんだったんだよね、なので記者会見を見ながら、すべて書き起こしたのです。東京電力の説明、質疑応答になったら記者さんの名前、所属媒体、質問内容、所要時間。2011年3月の記者会見は、夜中や早朝に急に始まり、何時間も続いたりしていて、一つの会見でノートが2冊埋まることもありました。

 記者会見って、なんか整然としてるイメージだったんだけど、事故直後の東電会見は怒号やヤジがすごくって! 部屋にひしめいている100人以上の記者さん方は「ちゃんと情報を出せ!」「隠すな!」と東京電力にどなっていました。そのヤジはわかります。でも質疑応答が数時間続いてるのに、一番前でずっと手を挙げてる記者さんが全然指名されなくて「ちゃんと公平に当ててください!」「質問を受け付けてください!」そういう抗議もありました。突っ込んだ質問している記者さんに「そんな質問、後にしろ!」「お前だけの会見じゃないんだ!」そういう怒号もありました。どうなってるの?記者会見をずっと書き起こしているうちに、どの方がどういう質問をしているか傾向がわかるようになります。そして! わたくし、耳が良いのですね、毎日数時間記者会見を聞いているうちに、声を聞いただけでどこの誰かわかるようになってきたのです! するとヤジの声も聴き分けられるようになったのですね☆そうしたら、記者会見の勢力図というか、よく当たるメディアは何人も記者さんが参加していて、同じ記者が数回指名されたりするけど、突っ込んだ質問をする週刊誌やフリーランスはなかなか指名されない。そしてフリーランスが当たると「お前の質問なんかいいんだ!」

(P.171~P172 記事から抜粋)

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