ドイツ脱原発の動きは次のステージへ(芸人・記者 おりどりマコ)
『社会運動』をご覧のみなさま、こんにちは! 今はドイツのゲッティンゲンの放射性
廃棄物処分場についての会議に向かっています。そこに向かう長距離電車のドアの前
の床に座って記事を書いています、席がないんだもん。そしてこういうところに座る
と、決まって地元の人だと思われ、めちゃくちゃ駅や地名を聞かれる! ドイツ語で!
ムリっす、ごめん! 面白いことに、私は駅を聞かれ、相方ケンパルは、何かしら売
りつけられようとするという…。どこの国でも、私は道を聞かれる側に、ケンパルは騙
される対象になるのはなぜ…。人間の本質は感じ取られるということですね☆なんちて。
さて、私が今回の会議で与えられた15分の発表の準備は終わったので、今回のドイツ
のダイジェストをご報告! 2014年から、毎年2月、3月にドイツの様々な国際会議に呼
んでいただいています。今年は国際会議はないんだけど、毎年招聘してくださるドイ
ツのヘッセン州(フランクフルトのあるところ)のプロテスタントのエキュメニカルセ
ンターが「今年もおいで~」と招いてくださって。そして恒例のハードスケジュール
の取材と講演会を詰め込んでくださいました(笑)。そこの教会の平和教育の部門と、
異文化交流の部門の牧師さんが呼んでくださって「原発事故のことをドイツの学生に
伝えてほしい、それはとても勉強になるから」とおっしゃるのだけど、毎年、私たち
がとても勉強になります。
また、ドイツの脱原発の市民団体のアクションを取材するたび、衝撃があります。だっ
て、ドイツはもう脱原発を政策として決めているでしょ? 今、何をしていると思う?
「予定より早く、原発を全て止められるはずだ!」「放射性廃棄物の処理・処分場も市
民にきちんと監視させろ!」そしてそして! 「隣の国の原発も止めろ!」おおう…ドイ
ツは脱原発を決めたから、もう下火になってるかと思った…。
ドイツでは、チェルノブイリ原発事故の前から、脱原発運動があって。その頃から活
動している方にもお話を伺いました。
─なんで、事故の前から脱原発運動が盛んだったんですか?
「われわれは、このような技術は初めから信用していなかった。なぜなら、情報開示
が行われず、良いことしか説明されない技術は、信用できないからだ」(おおう、かっ
こいい…)
─ドイツでは原発に限らず、市民運動が盛んですよね?
「『闘う者は負けるかもしれないが、闘わぬ者はすでに負けている』これはブレヒト
の言葉。ドイツの市民運動はこの言葉を心に抱いている者が多い。あきらめるという
ことを、私たちは恐れている」
このかっちょいい回答を聞いたとき、なんかわかる!と思いました。自分があきらめる、
ということは、自分が社会を、世界を、人生をあきらめることと同じ意味で、私があ
きらめないかぎり、私の他にもあきらめない方が世の中にいる、ということを信じら
れるのです。なので、私は自分があきらめる、ということを一番恐れているので、お
んなじ!と感じました。
(P.146~P148 記事から抜粋)