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市民セクター政策機構 市民セクター政策機構は、生活クラブグループのシンクタンクとして、市民を主体とする社会システムづくりに寄与します。

06.<ほーぷサロン>様々なサークルに人が集う ここは地域の文化の中心

季刊『社会運動』2017年10月【428号】特集:空き家で街を元気に―困った住宅・店舗の活用方法

ほーぷサロンという場所

 なだらかな丘陵地帯が続く泉北ニュータウンは、戸建てと分譲・賃貸の集合住宅が計画的に配置された約5万9000世帯の大規模な住宅地である。1968年の入居開始から半世紀がたち、高齢化や若者世代の流出など人口減少の時期を迎えており、空き家も出始めている。
 「ほーぷサロン」はその一角、堺市南区竹城台という大きな一戸建て住宅が集まる緑豊かな場所にある。もともとクリニックだった建物の玄関には太陽が明るく降り注ぎ、手入れの行き届いた植物が出迎える。訪れた人たちは、入り口に置かれた案内板でその日のイベントやサークル活動を確認して、建物の中へ入る。
 1階には、大小三つのしつらえが異なる部屋がある。取材した日の午前中には、介護を担っている方々が軽食を食べながら情報交換とおしゃべりを楽しむグループ「ケアラーズカフェわっ香」に1部屋が貸し出されていた。玄関近くには、サークルが紹介されたチラシやその作品、リサイクル品や、近所で採れた野菜が並べられていた。
 このほーぷサロンを拠点に、福祉事業や訪問援助、地域交流の事業を展開しているのが、NPO法人福祉ワーカーズほーぷ(以下ほーぷ)だ。

地域住民の暮らしに寄り添い続ける

 ほーぷのはじまりは、1997年に生協エスコープ大阪(当時の泉北生協)が開講した3級ホームヘルパー養成講座がきっかけだった。その受講生が中心となり、生協の立ち上げ支援を受けて次々に福祉ワーカーズ・コレクティブが誕生していく。その一つであるほーぷは、98年の設立以来、泉北ニュータウンで高齢者や子育て世代などの日常的な困りごとに応え、暮らしに寄り添う事業を続けてきた。2004年にNPO法人となった後は、介護保険の指定事業所となって訪問介護と居宅介護支援事業も開始することになった。
 ほーぷの三つの活動理念―地域で私らしく生きる、地域に私の居場所を増やす、地域に私の仕事を増やす―を実現する事業の一つが地域交流だ。その目指すところを代表理事の西薗眞貴さんは次のように語る。
 「このまちに赤ちゃんからお年寄りまで気軽に集える居場所をつくりたい、お茶とお菓子でほっとしたり、世代やハンデを越えて、人と触れ合いながら楽しい時間を過ごしたり、時には泣いたり、グチをこぼしたり。そんな場所を、来てくださった方と一緒につくっていけたらいいと思っています」

多様なサークル活動

 ほーぷは地域の人たちの生きがいづくり、交流の場づくりを支援するために、ほーぷサロンで多数の企画を開催してきた。ランチ、ティータイム、祭りや、読書会、手芸、パソコン、映画会、歌、スケッチ、運動などのサークル活動も盛んだ。それぞれの企画参加費は1回500円程度で、企画の終了後には何をしてどんな会話があったのかを、ニューズレターやブログを通じて丁寧に伝えている。また、三つの部屋は1時間500円で貸し出しており、複数のサークルが定期的に借りている。こうしたわけで、ほーぷのニューズレターやホームページのカレンダーは、たくさんの企画で埋め尽くされて賑やかだ。
 さらに活動は、ほーぷサロンの外にも向かう。自治会や他団体が行うイベントにも積極的に参加するのは、会の存在を知ってもらう格好の機会だからだ。毎年参加している「オープンガーデン」というイベントではほーぷサロンの庭を住民に開放し、地域の祭りに模擬店を出したりステージ企画に出演することもある。

(P.106~P.109記事から抜粋)

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