国際社会に背を向ける日本政府(編集部)
国連人権勧告の実現を
どの委員会の勧告も、日本の取り組みを評価するより、改善を求めることが多い上、さらに新たな指摘も増えている。例えば、これまで「自由権規約委員会」は、「思想、良心の自由への制約」について日本に指摘することはなかったが、教育現場で「日の丸」「君が代」が強制されるようになったことが問題となった。50ページの表「国連が指摘する 日本国内の主な人権問題」にまとめたように、ありとあらゆる分野にわたり日本の人権問題が指摘されていることがわかる。
人権が顧みられない日本の状況を変えていこうと、さまざまな立場の市民がつながり、「国連・人権勧告の実現を!」実行委員会が2013年に結成された。勧告内容が示すように、日本には人権が侵害され救済されない人がたくさんいる。日本は多くの人権問題を抱える国であり、一人ひとりが人権侵害に敏感になることが必要だ。今後予定されている2016年2月の女性差別撤廃委員会による審査や、2016年5月末までに子どもの権利委員会へ日本政府が提出する報告書に、私たち市民は関心を持って監視すべきであろう。日本が国際社会に積極的に貢献するためにも。