団体紹介④ワーカーズ・コレクティブはんどtoはんど(大阪府富田林市)
「緑に囲まれ、味わい、語らい、学び合う居場所」
「車いすの人や盲導犬を連れた人が、カフェでくつろいでいる光景を、ふだん目にすることはありますか」と聞かれたら、ほとんどの人がないと答えるだろう。しかし「ワーカーズ・コレクティブはんどtoはんど」(以下、はんど)が運営するHand Cafeにとっては、それが日常の光景だ。
「カフェに来る理由は、おいしいコーヒーを飲みたい、おしゃべりを楽しみたい、自分時間に浸りたいなどですよね。Hand Cafeは杖の必要な高齢者や障がいのある人も気兼ねなく、普通にお茶を楽しみ、交流できる空間です。普通のカフェでは受け入れてもらいにくい人たちの満足度、居心地のよさを大事にしています」と、代表の山口節子さんは言う。
(p.28 記事抜粋)
地域に「食」と「安心」を提供したい
はんどの前身である「NPO法人ワーカーズ・コレクティブはんど」は、1997年に高齢者などへの生活援助事業を立ち上げた。当時は、介護保険によって老後の不安が解消されると思っていたが、始めてみるとそうではなかった。安心して地域で暮らし続けるためには、食を介した交流拠点が必要と考え、2014年にカフェをオープンしたが、カフェ事業は赤字続き。5年後、ついに撤退を余儀なくされた。