人物紹介②井瀧佐智子さん(企業組合ワーカーズ・コレクティブ旬:埼玉県川口市)
埼玉のワーカーズ・コレクティブを切り開いてきた先駆者といえば、井瀧佐智子さんの名前が挙がる。生活クラブの活動経験を生かして、施設給食、たすけあいのワーカーズ・コレクティブなどを立ち上げてきた。最初の「旬」から30年以上、長く続けて来られたのはなぜか、井瀧さんに聞いてみた。
時間の切り売りではなく、納得できる仕事を
地域のためにお弁当を作る「ワーカーズ・コレクティブ旬」の厨房は埼玉県川口市の生活クラブ生協にある。ここで作られる弁当や総菜は「毎日食べても飽きない」とファンが多い。
「生活クラブの食材を使っているから、安全なのは当たり前。でもおいしさも大事ですよ。おいしくなければリピートしてもらえないから」と井瀧さんは言う。
旬を始めたのは1991年、39歳のとき。生活クラブ生協の理事を4年務めたあと、次の仕事を模索するなかで、新座から浦和に移った本部から「お弁当事業ができる人を探している」と持ちかけられた。
「私も働くなら時間の切り売りではなく、地域の役に立ち、自分も納得できる仕事をと思っていました」
(p.32 記事抜粋)