団体紹介⑪NPO法人ワーカーズ・コレクティブたすけあい栄(神奈川県横浜市)
「生活の困りごとを受け止め続けて29年」
神奈川県横浜市栄区にある「たすけあい栄」は、家事介護を担うワーカーズ・コレクティブだ。1992年、事務所なし、代表電話をメンバー宅の転送電話で受けてのスタートだった。以来29年間、現在は31人のメンバーで事業を行っている。
困っているのだから断らない
栄の中心的な事業は、「まごころサービス」という生活支援事業である。介護保険等の公的サービスの対象にならない生活全般のサービスのことだ。病院の付き添いや利用者の家族への家事支援、子どものための食事づくりなどで、その内容は実に多様だ。なぜなら、助けを借りたい事情は十人十色だからだ。ヘルパーが利用者親族の結婚式に参列し、新婦の父親の介助を行ったこともある。
栄の前理事長和泉香代子さんは、「家政婦代わりでない限り、困っていると言われた依頼は、すべて引き受けてきました」と話す。
一見、そこまでやるのかと思われることでも、メンバー内で話し合いながら、利用者にとって必要なことに応えてきた。もちろん、頼まれることならすべてを請け負うわけではない。「目指すのは、利用者の自立支援。踏み台があれば、次のステップが踏めるように、わたしたちが踏み台の役割をしているのです」と和泉さん。
メンバー自身も地域の住民として、いずれサービスを利用する立場になると考えているのだ。
「まごころサービス」をしない方が利益はでる
栄のまごころサービスは、会員制だ。市民がお金を出し合って、助け合いに参加する仕組みである。そのため、サービス料金やヘルパー交通費とは別に、初回登録料、年間登録料を設定している。
(p.76-P.77 記事抜粋)