生活クラブグループ
市民セクター政策機構

市民セクター政策機構 市民セクター政策機構は、生活クラブグループのシンクタンクとして、市民を主体とする社会システムづくりに寄与します。

設立当初から一貫して取り組む脱原発運動


「市民ネットワーク北海道」(以下、ネット北海道)は、1990年10月に設立された。「泊原発の可否を問う道民投票条例」を求めた直接請求運動の2年後のことである。北海道議会での結果は、わずか2票差で否決。しかし、1988年当時、道内の有権者のおよそ4分の1の有権者にあたる100万筆もの署名は、86年のチェルノブイリ原発事故を目の当たりにした市民による「原発NO!」の強い意思表示だった。
ネット北海道は市民の熱い運動のうねりを受けとめた。1991年の統一地方選挙で、札幌市議3名、石狩町議1名の4名が当選した。初の代理人(議員)の誕生だった。「脱原発」は、ネット北海道が一貫して取り組む課題の一つだ。


40年続く、幌延の核関連施設問題


札幌市の北280キロメートルにある北海道幌延町は、1981年に原発誘致を目論んだが、核廃棄物関連施設誘致へと切り替えた。以来40年の長きにわたり、反原発運動が続いている。
現在、幌延町には「幌延深地層研究センター」(日本原子力研究開発機構、以下、原子力開発機構)がある。ここでは、原発の使用済み核燃料を再処理した後に残る、「死の灰」を含んだ廃液をガラスと混ぜ、地下350メートル以上の深さに埋める地層処理実験が行われている。2000年に、北海道、幌延町、原子力開発機構との三者で協定(注1)が結ばれ、研究終了後は地下施設を埋め戻す、核廃棄物は持ち込まない、核廃棄物の最終処分場にしない、中間貯蔵施設を設置しないことが約束された。しかし、幌延町に核関連施設があることは、放射能汚染の危険性や核のゴミ捨て場になるかもしれないという大きな恐怖となっている。

(p.48-P.49 記事抜粋)

インターネット購入