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市民セクター政策機構

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地縁・血縁・お金もない普通の女性たちが、地方の政治を変えた

 

現在、さくら・市民ネットワーク選出の県議会議員であり、市民ネットワーク千葉県の共同代表でもある伊藤とし子さんに聞いた。

 

危険なごみ処理プラント建設を4人で阻止


「暮らしと政治の接点は、どこにも、どんな人にもある」
伊藤さんがそう実感したのは30年前。当時住んでいた奈良県で、安全な食品の共同購入をする仲間と活動していた時だった。
安全性が疑問視されていたごみ固形化燃料(RDF)処理プラントの建設誘致が持ち上がり、その裏には町長とプラント業者との癒着・利権も絡んでいると知る。「誰かが止めなければ」と伊藤さんを含む4人の女性たちが反対運動に立ち上がった。議会では威圧的なヤジがまかり通る保守的な土地柄だが、全戸にチラシを配り問題を訴え、粘り強く活動するうちに共感者が増え、プラント建設は立ち消えになった。活動すれば何とかなる、と確信した。
「嵐のような日々でしたが、政治を変えることの必要性、4人でも変えられたという経験、それが私の活動の原点です」

 

さくら・市民ネットワークとの出会いから議員へ

 

その後、伊藤さんは千葉県佐倉市に転居した。ある日、自宅のポストに「さくら・市民ネットワーク通信」が入っていた。地域の女性たちが議員を生み出し、発言し、パワフルに活動している姿に共感した。近所で開催されたさくら・市民ネットワーク(以下、さくらネット)の議会報告会に参加すると、「一緒にやりませんか」と声をかけられ、市議会議員選挙を手伝うことに。事務局にならないかと誘われ、いつの間にかさくらネットの一員として活動を始めていた。「釣り堀に針が落ちて引っ掛かった感じです」と、当時を思い出して笑う。

(p.60-P.61 記事抜粋)

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