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市民セクター政策機構

市民セクター政策機構 市民セクター政策機構は、生活クラブグループのシンクタンクとして、市民を主体とする社会システムづくりに寄与します。

地域ネットの独自性を活かし、ネットワークをさらに広げる

 

埼玉県内の市議会、県議会に2021年11月現在7人の代理人を出している「埼玉県市民ネットワーク」(以下、埼玉ネット)。それぞれ地域に根ざした活動を行っている。
ここでは市民運動と連携して代理人(議員)を生み出している地域ネット「越谷市民ネットワーク」(以下、越谷ネット)の活動と、生活クラブ生協の組合員を対象にした「代理人運動学習会」を紹介したい。

 

市民運動から、代理人にふさわしい人を見つける

 

越谷ネットはどのように市民運動を地方政治につなげてきたのか。埼玉ネット事務局長で元越谷市議会議員の加藤佳子さんから聞いた。
「越谷ネットは1990年に設立。埼玉県でもっとも古い地域ネットです。これまで7人が市会議員に当選していますが、そのうち4人が生活クラブ生協以外の市民運動から擁立された代理人です。市民運動から代理人を見つけてくるのは越谷ネットの特長です」
市民運動から代理人が生まれたのは、加藤さんが市議会議員を務めていた96年。新しい住宅地のそばに産業廃棄物処理場を造る計画が明らかになり、住民の間で激しい反対運動が起きたのがきっかけだ。
「私は議員の立場で何ができるかを考え、当時の越谷市にはまだ情報公開制度がなく産廃処理場の管轄が県であったことから、埼玉県の情報公開制度を使って情報を入手する方法を反対運動のメンバーへ伝えました。その結果、正確な情報をもとに運動を発展させるお手伝いができ、計画を撤回させることができました。その反対運動に参加し、生活クラブ生協の組合員でもある今村久美子さんが、政治に強い関心を持ち、99年に越谷市議に立候補して当選。市民運動から誕生した最初の議員になりました」
二人目の辻 浩司さんは、2007年に越谷ネットから出馬し、3期の市議を経て現在、県会議員を務めている。先進的な障がい者団体で活動し民主主義を地道に学んできた辻さんに共感し、越谷ネットから声をかけたところ同意を得られたと言う。

(p.64-P.65 記事抜粋)

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