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長野市に子どもの権利条例を求めていく

 

「信州・生活者ネットワーク」には、三つの地域ネット(ながの、岡谷、松本)」があり、これまでに10人の代理人(長野市議、岡谷市議、諏訪市議、下諏訪町議)を送り出している。長野市の初代代理人は、丸山香里さん(長野市議2003年~2011年)だ。
「ネットながの」のホームページを開くと、長野市議としてバトンタッチされてきた3人の代理人と共に、「子どもの権利を守る」という言葉が目に飛び込んでくる。なぜ、子どもの権利に力をいれるのか。代理人の丸山さんには必然ともいえることだった。
「私の子どもに障がいがあったのですが、それが原点です。苦しい思いを抱える子どもたちがやはり気になってくるのです。また、そうした子どもの保護者、学校の先生など、支援する側の大人たちが、もがいている姿も目にしてきました。だから、子ども支援は私のライフワークなのです」と語る。彼女を長野市議会に押し出した仲間も子どもの問題に関心を寄せる人たちであった。

 

「子どもの権利」に反対する勢力に驚愕

 

議員になった丸山さんが目指したのは、長野市に子どもの権利条例を作ることだった。自治体で条例を作り、具体的な施策を講じていくのが市議会議員の役目と思ったからだ。子ども(18歳未満)の基本的な権利(生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利)は、国際条約で定められており、日本は1994年に批准している。
長野県では、2015年に「長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例」が制定されている。しかし、条例名に「子どもの権利」という言葉は見当たらない。それは、「子どもの権利」へ猛烈に反対する動きがあったからだ。条例が県議会で可決される前の2014年6月、県内各地で反対集会やデモが行われた。市内のホテルで開催された反対集会に、調査のつもりで参加した、当時長野市議だった西村裕子さんは肝をつぶした。
「子どもの権利をつぶそうとする人たちの勢いが、こんなにも強烈なのかとびっくりしました。会場には、保守系の議員や児童福祉施設の施設長などがいました」

(p.72-P.73 記事抜粋)

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