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市民セクター政策機構

市民セクター政策機構 市民セクター政策機構は、生活クラブグループのシンクタンクとして、市民を主体とする社会システムづくりに寄与します。

①介護保険制度の改悪を黙って認めてはならない
(社会福祉法人 いきいき福祉会 理事長 小川泰子)

【好評発売中】季刊『社会運動』2023年7月発行【451号】特集:長生きしたら、どうしよう? ―崩壊する介護保険制度をたてなおす

お金持ちしか使えなくなってしまうのか?
介護保険制度のこれから

 

 めまぐるしく変化する介護保険制度と行政の福祉施策に利用者や事業者は振り回され、多くの社会福祉事業が不安定な経営状況に追い込まれている。小川さんは「目先にお金をぶら下げて、加算するからと現場に何かと注文を付けてきます。やらなかったら減算、そんなことをしていたら倒産するぞと脅しをかけられているようなものです。事業者が増えるのは利用者のサービスの選択肢が増えるはずだったのに、選択肢が増えたのはお金持ちの高齢者だけになりかねません。民間福祉事業者は余裕のある人に有料ホームや、サービス付高齢者向け住宅を提供します。訪問介護もいくらでも使ってくれる人を顧客とします。経済的に問題のない人にしか、選択と契約の権利が保障されない社会保障制度になりつつあります」と話す。
 上野千鶴子さん(社会学者)と樋口恵子さん(評論家)の共著『介護保険が危ない!』(岩波ブックレット2020)は、「介護保険20年の歩みは切り下げの連続だった。…このままでは、制度はあっても使えない状況になりかねない」と、お金がないと生きられないと訴えている。そのような声をたくさん上げることで介護保険制度の流れを変えていける。小川さんは「単体の社会福祉法人でできないかもしれませんが、生活協同組合がつくり出した社会福祉法人の連携でその動きを生み出せないかと考えています」と期待する。

(P.53 記事抜粋)

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