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市民セクター政策機構

市民セクター政策機構 市民セクター政策機構は、生活クラブグループのシンクタンクとして、市民を主体とする社会システムづくりに寄与します。

おしどりマコの知りたがりの日々・レッツ想定外!第2回(芸人・記者 おしどりマコ)

季刊『社会運動』 2016年4月号【422号】 特集:市民が電気を作る、選ぶ

知りたがりのドイツ人

 原発事故に関する取材の発表のため、ドイツの国際会議に招聘されたのは2014年から。初めて連絡をいただいたときは「記者とか研究者の方と間違えてらっしゃるのかな?」と思い、「私は芸人ですよ?」と返しましたが、「知っています」とのこと!おしどりは針金とアコーディオンを使う漫才をしているのですが「ドイツに来る際は針金も持ってきて」との指示。で、あちこちに行くたび、アコーディオンが用意してあり、原発事故の取材や会議のあとに「ネガティブな話が続いたので、最後はポジティブなパフォーマンスを!」と、簡単な漫才もたくさんしました。おしどりのこと、知りすぎやん!
 初めて招聘された2014年は、核戦争防止国際医師会議のメンバーの医師や研究者の方々と、ベラルーシでの国際会議と視察にも参加しました。ベラルーシへの入国ビザの申請の時には、ドイツから「絶対に観光と言え。視察や会議は絶対に口にするな」という指示。ベラルーシはチェルノブイリ原発事故後の情報をあまり出さない、とは聞いていたけれど、そんな厳しいの?と思いながらビザの申請に行きました。滞在先のホテルまできっちり書かないといけなくて、細かいのう、と思いながら狭い窓口に申請書を提出すると、しばらくして奥のドアがバーンと開いて、背の高いベラルーシ?の偉い方が出てきて「お前たち、旅の本当の目的は何か」おおぅ、いきなりそれですか…
 「観光です!」と言われたとおりに答える私たちに、「違う。同じ日程で、日本の各地の何人かの医師からビザの申請がある。真の目的を言いなさい」。真の目的!「いや、本当に観光なんですよ!」と言い張っても、背の高いベラルーシ領事館の方は立って見下ろして詰問!最終的にその医師のリストを私たちに見せて「このメンバーから同じ日程でビザ申請がきている。この中で知っている人間を言いなさい」。わお!
 「ほとんどわかりませんけど…ええと、この方は知ってるかな?」と正直に答えても不審そうな顔。そこで初めて!「お前たちの職業は何か」
 「芸人です!コメディアンです!よしもとの!」
 ん?と領事館の方の表情が変わり、ネットに上がっている芸人としての写真を見せると、おおう、そうか、となり詰問終了。そして、すぐにビザがおりました。なんかお医者さまが芸人連れて慰安旅行、みたいな雰囲気でも出たのでしょうか!後で伺ったら、なかなかおりなかったお医者さまがたのビザも、私たちの申請後にすぐにおりていたようです、良かった、芸人でトクした!
 ヘッセン州のエキュメニカルセンターの牧師さまが、長いこと京都にお住まいで、今はフランクフルトにいらっしゃるのだけど、原発事故の際に日本人の奥さまと一緒にWebの情報を良くご覧になっているのですね。それで、私が東京電力の会見でガッツリ取材しているのをご覧になっていて。そこで2014年、2015年、今年と招いていただいているのです。日本に長いことおられたので、日本の事情もよくご存じなのですね。なので、ドイツに来た際、様々な取材場所もセッティングしてくださっていました。その中からこの『社会運動』をご覧のみなさまに!
 ぜひお伝えしたいこと!それはドイツのみなさんのことです。
(記事から抜粋 P159~P161)

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