②日本生活協同組合連合会 国際部 天野晴元
【新刊】季刊『社会運動』2024年10月発行【456号】特集:社会的経済に向かう韓国市民運動 ー『韓国協同組合運動100年史』翻訳出版記念
ICAアジア太平洋地域(ICA-AP)を通して広がる日本生協連と韓国の協同組合の交流
日本生活協同組合連合会 国際部
天野晴元
日本生活協同組合連合会は、国際協同組合同盟(ICA)を軸にした国際活動を展開しています。「ICAアジア太平洋地域(ICA-AP)」では、生協、農協、信用組合などの分野別委員会と、調査・研究、女性(男女共同参画)、青年などのテーマ別委員会を設けて活動を行っており、こうした委員会活動がICA-APの活動の柱のひとつとなっています。
日本生協連と韓国の協同組合の交流は、さまざまなチャネルを通じて行われてきましたが、やはり、ICA-APの委員会活動を通じた交流がその中心でした。そして日韓の協同組合の交流の場となってきた最も歴史のある委員会は、日本生協連が人的・物的支援をしているICA-AP生協委員会です。
1980年代から1990年代半ばまで、生協委員会のセミナーや研修プログラムには、韓国農協中央会の役職員が参加していました。この当時は、韓国の信用協同組合との人的往来も多い時期でしたが、ICAを通じた交流は、ほとんどありませんでした。
韓国の生活協同組合の参加は比較的新しく、2008年にiCOOPがICAに加盟し、2009年からICA-AP生協委員会に委員として参加しています。iCOOPは、生協委員会に加入以来、セミナーや研修プログラムに積極的に職員を派遣し、近年は同生協の生産や保健・医療の拠点であるナチュラルドリームパークをフィールドとして、生協委員会の各種プログラムの受入れを行うほか、2023年からは、生協委員会委員長代行を務めるなど関与を強めています。
さらに2018年にはiCOOPに続き、複数の生協(ドゥレ生協、ハンサリム、大学生協連、幸福中心生協連、全国協同組合協議会)で構成される「韓国協同組合国際連帯KCS」がICAに加盟し、その後ICA-AP生協委員会に参加しています。
今後もICAアジア太平洋地域(ICA-AP)を中心に、韓国と日本の生協の連携が深まるものと期待しています。
(P.30-P31 記事全文)