生活クラブグループ
市民セクター政策機構

市民セクター政策機構 市民セクター政策機構は、生活クラブグループのシンクタンクとして、市民を主体とする社会システムづくりに寄与します。

民主化運動と共に展開されてきた韓国の社会運動や労働者協同組合運動


日本労働者協同組合連合会 事務局長
中野 理


 『韓国協同組合運動100年史』日本語版刊行にお祝いを申し上げます。大部な本書の翻訳に尽力された関係者のみな様に心より敬意を表します。

 私たち日本労働者協同組合連合会も1993年から30年以上にわたり韓国との交流を続けています。交流相手も多岐にわたり、数多くの労働者協同組合から自活支援事業関係団体、社会的企業、生協、大学や研究機関、自治体や政府機関にまで及びます。韓国労働者協同組合連合会とは、労働者協同組合の国際的ネットワーク(CICOPA AP)を通じて密接な連携を続けています。

 多様な団体との長年にわたる交流を通じて、私たち日本のワーカーズコープは、民主化運動と共に展開されてきた韓国の社会運動や労働者協同組合運動の歴史を学び、その実践の多様性や強靭さからも学んできました。日韓の労働者協同組合はたゆまぬ交流を通じて学び合い、共に成長してきました。

 互いの歴史や実践を学び合い、実践のさらなる発展に活かすためには、共通の基礎文献が不可欠です。この意味で、本書の画期的な意義は明らかです。本書は日韓の協同組合関係者にとって、共に学び合い、さらなる実践の発展を展望するために、必読の基礎文献となるでしょう。とりわけ若い世代が本書を通じて学び、日韓の協同組合運動の未来を展望することを願ってやみません。

 日韓関係は、日本による朝鮮の植民地支配の歴史を踏まえ、両国政府の政策等に翻弄されてきました。しかし、そうであるからこそ、日韓の市民が政治的混迷を越えて広く深く交流し、日韓関係を成熟させていく事が不可欠です。市民が主体である協同組合は、この市民交流による日韓関係の成熟に大きな役割を果たすべきであり、本書はその日韓の協同組合間交流の発展に大きく寄与することになるでしょう。

(P.34-P.36 記事全文)

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