生活クラブグループ
市民セクター政策機構

市民セクター政策機構 市民セクター政策機構は、生活クラブグループのシンクタンクとして、市民を主体とする社会システムづくりに寄与します。

震災とコロナ禍乗り越え「新しい協同」つくる百年に


パルシステム生活協同組合連合会 代表理事理事長
大信政一


 パルシステムグループと韓国国内の生協との交流は1990年、韓国生協中央会との定期交流からはじまりました。以降、日韓双方が年1回、それぞれの組織を訪問する交流を続けてきました。意見交換や視察だけでなく、サッカー親善試合や夕食会なども交え信頼関係を構築してきました。

 地域で活動する組合員どうしの交流は1999年、プルンピョンファ生協とパルシステム神奈川*が始まりです。その後プルンドゥレ生協とパルシステム埼玉、高揚ドゥレ生協とパルシステム東京、チャムジョウン生協とパルシステム千葉、京畿ドゥレ生協とパルシステム茨城 栃木*などへと広がります。(*現在は交流なし)

 それぞれの交流活動では、子どもたちもお互いの国を訪問しました。「21世紀」という新しい時代に、人と人がつながり未来をつくる「草の根交流」の機運が一気に高まった時期といえるでしょう。

 事業的には、韓国生協全国連合会と2001年、キムチの共同開発に挑戦しました。また2000年に起きた「韓国・21世紀生協連帯」の物流施設の火災事故、2011年に起きた東日本大震災では相互に多くのカンパ金が寄せられ、日韓の「助け合い」が目に見える形で現れました。

 近年、日韓生協の友好の構築は順調とは言い難い状況です。東日本大震災とそれによる原発事故では、安全性の配慮から相互の移動が滞り、交流企画は断続的になりました。さらに2020年以降はコロナ禍で再び停滞し、各生協はオンライン企画などで関係が途切れぬよう腐心しました。

 これらの苦難を乗り越えて、いまようやく、交流の再開への動きが始まっています。次の百年に向けさらに関係を深め、新しいステージに立った協同の実現を願ってやみません。

(P.36-P.37 記事全文)

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