生活クラブグループ
市民セクター政策機構

市民セクター政策機構 市民セクター政策機構は、生活クラブグループのシンクタンクとして、市民を主体とする社会システムづくりに寄与します。

1980年代から始まった韓国協同組合との交流―ドゥレ生協と幸福中心生協の事例


生活クラブ事業連合生活協同組合連合会 常勤理事・企画部長
前田和記


 日本の植民地支配によって朝鮮の協同組合を解散させた戦前の負の歴史を乗り越え、韓国で生協を〝再興〟する1980~90年代に、日韓の協同組合人は出合いました。両国間の政治的緊張・対立を乗り越え、国際交流を通じて市民が友情を育み、生協が運動・事業を学び合い、今日に至ります。生活クラブ連合会と韓国の生協との交流の二つの流れを概括します。

ドゥレ生協との交流


 1983年に韓国の発安信用協同組合(信協)の呉益善氏と半月信協の故・李健雨氏が、日本の消費者運動のリーダー故・野村かつ子氏の紹介で生活クラブ東京を訪問したのが始まりでした。朝鮮戦争以降80年代まで続く韓国軍政下で、信協や教会に併設の小規模店舗が生協設立の母体かつ民主化運動の拠点となり、生協法施行(1999年)に先立ち生協が各地で次々と産声を上げました。1989年に生活クラブ千葉、続いて東京と神奈川が韓国の生協職員の長期研修を受け入れ、単協間交流の礎が築かれました。また、これらドゥレ生協連合会の会員単協を中心に構成された韓国の生協全国連合会と生活クラブ連合会が2008年に交流提携を結んだことを機に単協間交流が広がり、また、2017年からドゥレ生協生産者会と生活クラブ親生会との交流も始まりました。

(P.38-P.39 記事全文)

幸福中心生協との交流

 1995年に北京(中国)で開催された世界女性会議NGOフォーラムで、台湾主婦連盟環境保護基金会、韓国女性民友会、生活クラブ連合会の三者が出合い、1999年に三姉妹提携を結びました。台湾では基金会が台湾主婦連盟消費合作社を、韓国では民友会が女性民友会生協(現・幸福中心生協)を設立し、以降毎年「アジア姉妹会議」を開催しています。

 これからも日本中の協同組合と韓国中の協同組合との交流がさらに広がることを強く願っています。

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