①韓国の社会的経済の現在地を眺める京畿道議会政策支援官 市民セクター政策機構客員研究員 崔 珉竟
【新刊】季刊『社会運動』2024年10月発行【456号】特集:社会的経済に向かう韓国市民運動 ー『韓国協同組合運動100年史』翻訳出版記念
韓国の社会的経済の現在地を眺める
崔 珉竟
京畿道議会政策支援官
市民セクター政策機構客員研究員
韓国の社会的経済は、参加主体と事業の目的によって組織の法的根拠が異なります。法的に位置づけられるということは支援と規制の両面を持ちます。
政府の意思によって設立された協同組合、民間主導の協同組合、社会的変化に対応するために結成された社会的経済企業は、多様なありかたで韓国社会を支え、変化を促してきました。
2000年代に入り、政権のアイデンティティによってその関心と干渉の幅が大きく、このため社会的経済は量的・質的な変化を経験してきました。その変化の時間は、社会的経済が本来の目的と事業を自発的に作っていくには全く足りず、試行錯誤の連続でした。今、韓国の社会的経済は立ち止まっています。これが跳躍の時間になるか、それとも奈落に落ちていくか、社会的経済のアイデンティティを再確認し、どのようにすべきかに悩む時期なのです。
以降では韓国の社会的経済組織を紹介しますが、紙幅が限られているので、個別法で設立された農協、生協、信協、1997年IMFアジア通貨危機後に作られた自活企業、社会的企業、協同組合基本法に基づく協同組合や社会的協同組合、マウル企業、ソーシャルベンチャーに絞って紹介します。
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