生活クラブグループ
市民セクター政策機構

市民セクター政策機構 市民セクター政策機構は、生活クラブグループのシンクタンクとして、市民を主体とする社会システムづくりに寄与します。

●食と農の関わりに生協が果たせる役割
日本生活協同組合連合会 専務理事 二村睦子

【まもなく発売】季刊『社会運動』2025年7月発行【 459号】特集:生産する消費者が時代を変える 物価高に抗する

1.「食料・農業・農村基本法の見直しに関わる生協の意見」


(1) 検討のプロセス


 2022年、農林水産省で食料・農業・農村基本法の見直しがなされることになりました。日本生協連では、1999年の法制定時、またその後5年ごとの基本計画策定時に意見提出を行ってきました。今般の見直しは制定以来の大きな見直しになる、との情報があり、生協としての考え方を取りまとめるため、2022年11月に日本生協連理事会の下に全国の会員生協の代表で構成する「食料・農業問題検討委員会」を設置しました。検討の過程では必ずしも意見の一致を見る点ばかりではありませんでしたが、最終的には「消費者の立場」を重視した意見としてとりまとめました。

 日本生協連は農林水産省の「食料・農業・農村基本法検証部会」(以下、検証部会とします)に委員を出していたため、検証部会での議論を踏まえながら検討を行うことができました。意見書は2024年3月の日本生協連理事会にて確認いただき、農林水産大臣に提出、あわせて検証部会にも提出しました。

(2) 意見書の概要


 検証部会では基本法で扱っている領域を網羅的に議論しました。生協の検討委員会でもこれに対応して議論したため、意見書は多岐にわたる項目・内容を含んでいます。「消費者の立場」を重視しましたが、食料・農業・農村の課題はそれぞれ深くかかわりあっていることを実感する議論でもありました。

 そのうえで、やはり生協として重点となる意見を明らかにした方がよい、との考えから、5項目を重点としました。以下に、重点とした5項目について紹介しながら、議論の様子を紹介します。なお、意見書の全体については次のリンク先からご確認いただけます。

(抜粋)

日本生活協同組合連合会 専務理事 二村睦子氏の顔写真と、食料・農業・農村基本法見直しにおける生協の役割に関する記事のタイトル『食と農の関わりに生協が果たす役割 食料・農業・農村基本法見直しの経験から考える』が掲載された書籍のページ。本ページは、消費者の立場から食料・農業・農村基本法見直しに関する意見書を国に提出した経緯や、関連する審議会での議論について報告しています。

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