生活クラブグループ
市民セクター政策機構

市民セクター政策機構 市民セクター政策機構は、生活クラブグループのシンクタンクとして、市民を主体とする社会システムづくりに寄与します。

●地域の生産者が連帯して安全な鶏を育てる
株式会社秋川牧園 代表取締役社長 秋川 正

【まもなく発売】季刊『社会運動』2025年7月発行【 459号】特集:生産する消費者が時代を変える 物価高に抗する

チームワークで生活クラブに「丹精國鶏」を届ける


 秋川牧園の生活クラブとのつながりは1988年、生活クラブ生協・神奈川との提携から始まる。当時は外国鶏種のみだったが、生活クラブ用にと国産鶏種を飼育するようになった。2004年から取り組み始めた「はりま」は、国内で3世代以上にわたって育てられた鶏種で、生活クラブではおなじみのブランド名の「丹精國鶏」として人気を博している(はりまの生産は、秋川牧園と群馬県の全農チキンフーズ株式会社と徳島県のオンダン農協が行っている)。

 「はりまは国の独立行政法人『兵庫牧場』で扱っている国産鶏ですが、もともとはデリケートで育ちにくいのが悩みだったのです。でも育種改良が重ねられた結果、いまでは強くて飼いやすい鶏になりました。種の自給に向けて一番のポイントとなる育種改良を、兵庫牧場が責任を持ってやっていることが、安全な国産鶏を供給する上で大切なんですね。もちろんはりまの飼育にあたっては、ストレスをかけない開放型鶏舎で、無投薬、エサもNON-GMOや飼料用米を与えています。飼育期間も一般の鶏は47日前後ですが、はりまは55日以上かけてゆっくり育てますので、肉質が緻密で味がいいと言われますね」

 秋川さんはまた、はりまが食卓に届けられるまでを説明してくれた。

 「育種改良を行う兵庫牧場から、ヒナを供給する会社、生産や加工を担う会社、流通・販売に携わる会社などがチーム一体となり、生活クラブの組合員に届ける体制を組んでいます。『チームはりま』というところでしょうか。それだけ思い入れのある鶏なので一羽まるごと食べていただきたくて、どうしても余りがちな胸肉もチキンナゲットなど様々な冷凍加工食品にして、おいしく食べられるよう工夫してお届けしています」

(抜粋)

季刊『社会運動』のページ画像。株式会社秋川牧園代表取締役社長の秋川正氏の顔写真と、同氏へのインタビュー記事の一部を掲載。記事では「地域の生産者が連帯して安全な鶏を育てる」というテーマのもと、生活クラブ生協と連携した国産鶏肉「はりま」の生産、無投薬飼育、飼料用米の栽培を通じた持続可能な循環型農業への取り組み、食の安全に対する課題について解説されています。

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