●2024年から2025年の米不足・高騰の動きを追う
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会 常務付 山田 衛
2024年から2025年に起きた米不足の動きを振り返る。日本の米が今後どうなるかをともに考える材料の一端としていただければ幸いだ。
いわゆる銘柄米など5キロの平均価格が2000円台から上昇し始めたのは、西日本を中心とする早場米産地の田植えがはじまる2024年4月以降だった。銘柄米とは特定の品種と産地が同一であると認定された単一銘柄の米を指す。
当時は物価高騰の一例くらいの受け止め方がなされていた。それが8月8日を境に一変する。この日、宮崎県沖を震源とする地震が発生し、政府は南海トラフ地震臨時情報を発令。巨大地震に備えようと米を買い求める人が急増した。その後、「米が売られていない」「あっても高くて買えない」という悲鳴にも似た消費者の声がテレビのニュースを通して頻繁に聞かれるようになった。これが今回の米騒動の始まりだった(図①・②参照)。
その後も銘柄米の価格上昇は続き、政府は2025年2月に備蓄米の放出を決めた。「米価格高騰の背景には流通のスタック(目詰まり)がある」としての対応だった。それでも3月に米の平均小売価格は4000円を超え、1年で2倍の水準に達した。
1995年の食糧法、2004年の改正食糧法の施行で米の流通は民間に委ねられ、価格も原則的に供給と需要のバランスで決まるようになった。とすれば、米の需要に供給が追い付けていない(不足している)から価格が上昇していると考えるのが妥当なはずだが、江藤拓農水大臣も自民党の森山裕幹事長も「米の供給は足りている」と明言した。
石破茂首相も2025年5月21日に衆議院で開かれた野党三党との党首討論の席で、「米は足りないのか」という問いかけに「米は足りないとは断言はしませんが、ぎりぎりの需給状況を超えている」と応じた。さらに首相は「米の価格は3000円台でなければならない」とし、そのためには「農家から集荷業者、そこから卸業種、さらに小売事業者までの各段階における在庫を調査し直し、どこにどれだけあるかを明らかにする」とした。そして「増産の方向にかじを切るというのは同意する」と一歩踏み込んだ発言をしている。
(抜粋)








