生活クラブグループ
市民セクター政策機構

市民セクター政策機構 市民セクター政策機構は、生活クラブグループのシンクタンクとして、市民を主体とする社会システムづくりに寄与します。

●食料・農業・農村基本法と基本計画への6生協提言 これからの活動
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会 会長 村上彰一

【まもなく発売】季刊『社会運動』2026年1月発行【461号】特集:「米が足りない」のなぜ

消費者が深く考え問題の本質を学ぶべき問題


 25年ぶりに改正された食料・農業・農村基本法。その改正の背景は気候危機や戦争、そして自国優先主義によって混乱する国際情勢、また担い手不足による国内農業の脆弱化などだ。10年後には担い手不足から134万ヘクタール(現在の農地の30パーセント)ほどの農地が耕作できなくなるという調査結果も出ている。厳しい状況だが手遅れになる前に動き出すことが何よりも必要だ。

 2024年に基本法の改正があると分かった時、生産者や専門家、JA関係者の声だけではなく、「消費」する人間が声をあげる必要性を強く感じた。政府や農林水産省に対して発言をすることはもちろんだが、消費者が自分事として考えるべき問題という認識からだ。食と農の課題は私たちの生命にかかわる。人任せにするわけにはいかない。しかしそのことをどれだけの消費者が認識しているだろう。

 すぐにパルシステム連合会の大信政一理事長(当時)と東都生協の風間与司治理事長に呼びかけ、話し合いの場をもった。両人とも今の農政への疑問と農業現場の追い詰められている状況に強い危機感をもっており、共同行動の実施に合意した。その後、コープ自然派、生協アイチョイス、グリーンコープ連合に呼びかけ6生協の枠組みができあがった。

 日本生活協同組合連合会(日本生協連)では2022年の段階で「食料・農業問題検討委員会」を設置し、検討を進め意見書をまとめた。2023年5月26日、当時の畑忠男委員長(京都生協 理事長)と二村睦子 日本生協連常務理事が農林水産省を訪問。当時の横山紳 農林水産事務次官に意見書の内容と生協の取り組みを説明し意見交換がされた。日本生協連はこの問題に敏感に対応して動いており心強さを感じた。

 6生協の意見交換の中で私たちは、日本生協連の意見書を参考にしながらも、この問題は各生協の多くの組合員が学習し深く考えていくこと、そして今の農業の実態を知り、問題の本質を見極めていくことが必要だと確認し、2023年9月に合同の学習会を開催した。同年5月に新型コロナの位置づけが5類感染症に変わったこともあり、組合員ができるだけ一同に集まって学習する機会にした。「食料・農業・農村基本法改正に伴う合同学習会─国内農業を守り、食料自給率向上にむけて!」と題して新橋のニッショーホールで開催し、実参加が400人、オンラインが400人、合計800人の組合員が結集したのだった。

(抜粋)

インターネット購入