●「にぎやかな過疎」に舵を切れ
明治大学農学部食料環境政策学科教授 小田切徳美
「にぎやかな過疎」の核心
─新しい内発的発展、関係人口、プロセス重視
―著書(97ページ参考図書参照)のタイトルにもなっている「にぎやかな過疎をつくる」について教えてください。従来の農村再生策と、どう違うのでしょうか。
地域づくりの考え方は、この30年で大きく変わりました。1980年代までは、工場誘致やリゾート開発など、外部資本に頼る「外来型開発」が主流でした。ところがバブル崩壊でそれが行き詰まり、「地域は自分たちの力で立て直す」という「内発的発展」が広がります。特に高齢化が進んでいた中国山地などでは、90年代後半から「どうすれば地域が続いていくのか」という議論が活発になり、これがいまの地域づくりの原型になりました。
その後、2000年代に入ると、小泉構造改革や市町村合併の波が押し寄せ、地域づくりは制度改革に翻弄されながらも、10年代には新しい段階に入ります。試行を重ねるなかで「何をすればよいのか(Knowing-What)」が見え、さらに「どうすればよいのか(Knowing-How)」という実践の段階へと成熟していきました。
この流れと重なるように地方創生ブームも起こります。これには功罪の両面があって、国の支援で一時的に活気づいた一方、上からの資金導入さえあればなんとかなる、という表層的な議論へ逆戻りしてしまった部分もありました。
とはいえ地域づくりは確実に成熟していき、たどり着いたのが「にぎやかな過疎」、すなわち、人口が減っても自分たちのペースで地域を維持し、人材を活かし活気を保ちながら暮らしを続けていく持続的低密度居住地域という考え方です。
(抜粋)








