・この年表は「沖縄近現代史コラム集」を読む際に参考になるように作成されています。
近世末期
1872 日本政府が琉球藩を設置し、琉球藩王として冊封される。
近 代
1879 廃琉置県処分により琉球藩は廃止され、沖縄県が設置される(いわゆる「琉球処分」)。これにより正式に琉球王国は消滅した。
1894 日清戦争開戦(〜1895年)。
1904 沖縄で大干ばつが起こる。
1914 第一次世界大戦にて「砂糖バブル」が起こるも、戦後価格の暴落により「ソテツ地獄」と呼ばれる不況へ。
1920 南洋群島が日本の委任統治下に入れられる。
沖縄戦
1941 アジア太平洋戦争がはじまり、44年頃から沖縄での飛行場建設が本格化。
1945 米軍が沖縄へ上陸し(3月下旬〜)、地上戦により4人に1人の住民が亡くなる(沖縄戦)。9月7日に降伏調印が行われた。
戦 後
1952 サンフランシスコ講和条約発効。沖縄は引き続きアメリカの施政権下におかれる。
1969 佐藤・ニクソン共同声明により、1972年の沖縄返還を合意。
1970 復帰を見込み、国政参加選挙を実施(11月)。「コザ騒動」が起こる(12月)。
現 代
1972 施政権がアメリカから日本に返還される(日本復帰)。
1975 沖縄国際海洋博覧会開催(〜76年1月)。ダイエーが沖縄に進出。
1990 「第1回世界のウチナーンチュ大会」が開催される。
2000 主要国首脳会議を沖縄にて開催(沖縄サミット)。
2014 「オール沖縄」と自公政権との対立が鮮明となり、自民党の政治家であった翁長雄志が「辺野古移設反対」を掲げて当選。
2022 復帰50年、玉城デニー知事再選。
沖縄の歴史を知るきっかけとなればと、四つのコラムを用意しました。
黒糖、南洋群島、子ども、市場をテーマにした文章を並べ、琉球王国の世界から現代の沖縄までの時代を順番に辿れるようにしてあります。 例えば四つ目のコラムでは、日本復帰から現在までの沖縄を見るために、テーマを市場とし、そこではアーケードについて触れています。観光で那覇などを歩くと、懐かしい感じのアーケード街に出会いますが、あのアーケードです。
なかなか風情のある空間なので、うっとりと佇む人は多いでしょうが、この構築物がいつどうして作られたのか、考える人はあまりいません。
このコラムでは、アーケードが日本復帰後の1970年代半ばに沖縄の中心市街地に進出してきた本土の大型商業店舗への対抗策として、街の人びとが構築したことが書かれています。今年(2022)は、沖縄の日本復帰50周年の年ですが、まさに日本復帰による変化を象徴する構築物だったということがわかります。他のコラムでも、各時代の意味を表した沖縄ならではのエピソードが描かれています。
(4人の筆者は琉球史、南洋群島研究、教育史、産業社会学などの研究者たち。コーディネートを沖縄国際大学の秋山道宏准教授にお願いしました)
(P.12-13 記事全文)