生活クラブグループ
市民セクター政策機構

市民セクター政策機構 市民セクター政策機構は、生活クラブグループのシンクタンクとして、市民を主体とする社会システムづくりに寄与します。

 いま、㈱青い海では砂糖類も生産している。きっかけは、生活クラブ生協の組合員の声だった。


 砂糖は原料の6~7割を輸入に頼っており、原料や製法などを確かめることが難しい。生活クラブ生協の組合員のなかには、国産原料の砂糖や、なるべく精製していない砂糖がほしいというニーズがあった。そこで生活クラブ生協では、1982年に黒砂糖を扱うことにした。黒砂糖は収穫したサトウキビから汁を搾り取り、アクを取って煮詰めただけの素朴なもの。サトウキビに含まれるミネラル類などはそのまま含んでいる。しかし、独特の風味があり、クセも強いので、白砂糖のように調味料として料理や飲み物に使うことは難しかった。そのため1年ほどで取り組み中止になった。


 その後も、砂糖の取り組みに試行錯誤を続けるなかで、「粗糖」が浮上した。粗糖は砂糖の原料で、精製をして上白糖やグラニュー糖などになるものだ。原料段階のものなので衛生面などが課題で、供給をしてくれるところがなかなか見つからない。


 1986年、知念さんは知り合いの製糖会社を生活クラブ生協に紹介した。しかし、加工(精製)が前提の粗糖は、異物等が入っている場合もあり、ふるいにかけ検査して製品化する必要があった。しばらくすると、その会社から対応できないと㈱青い海に連絡がきた。すると、生活クラブ生協は「青い海がやってくれないか」と勧めてきた。当時、㈱青い海の工場長だった又吉さんは「えっ! 砂糖もやるんですか?」という思いだった。塩の時も全くの素人集団から始めた経緯がある。又吉さんは「一から砂糖のデータや情報を集めたりして、いろいろ勉強をしながら取り組んでいきましたよ」と笑う。

(P.53-P.54 記事抜粋)

 

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